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そんで攻撃しているとダインブルグサンドワームが大きく仰け反り、俺達への興味を失ったかのように移動を始める。

いや……元から牽制程度の攻撃だったって所か。


「島主の攻撃20秒で1のけぞりの様じゃ」

『ふむふむ。それならいけそうかな』


ちょっと顔文字さん、何を観測してクレイさんへチャットしてるのかな?

と言うか何を計算している?


「追いかけて再度仰け反らせるのじゃ」

「あいよー」

「おっと、環境攻撃植物があったわ」


姉さんが近くに生えていた植物の狙いをダインブルグサンドワームに定めて持って来た水瓶から植物に水を注ぐ。

すると植物は水を供給された事で活発化してダインブルグサンドワーム目掛けて攻撃し始めた。

水を与える分だけダメージが入る感じか。


「こっちの岩を攻撃して落せば良いんだったな」


それでらるくもクレイさんに命じられていたらしく岩を攻撃して的確なタイミングでダインブルグサンドワームに当てている。


「ギアアアア!?」


ガツーン! っと良い感じに脳天ヒットしたダインブルグサンドワームがぐったりとした感じに地面に頭を付けて目を回した。


「俺もやるかな?」

「島主は継続して攻撃じゃ。スタンしている今の間にできる限りの攻撃を、砂を搔き出す爪の部分にたたき込むのじゃ」


真似して俺もと足を踏み出そうとした所で顔文字さんに注意されてしまった。


「もうその段階? わかったよ」


移動速度を落とせるかも知れないって事でクレイさんに隙あらば頼むと言われたのでダインブルグサンドワームの足目掛けて近寄ってズバズバと白鯨の太刀で斬りつける。


「はああああああってね」

「武器のサイズがハンティングの大きな剣に匹敵しつつ斬る速度が片手剣並に速いわね……あの絆があんな動きをすると思うと感慨深いわ。紡があのポジションなのにね」


鈍い自覚はあるけど姉さんも言うなー。

確かに俺はこう言った事はせずに後ろからチクチク攻撃したりサポートがメインさ。

ゲームシステムの恩恵万歳って奴だね。

そんな感じでズバズバ斬りつけていると……スパンっと良い感じに足というかトゲが切り飛ばせる。

ただ、一本や二本じゃなく何本もあるんだけどさ。


「ギィイイアア!?」


あ、痛みでスタンモーションがキャンセルされて起き上がった。


「これはオマケだー!」


再度潜り込む前に白鯨の太刀が当たる範囲で大きく振りかぶって別の足にも攻撃しておくとのけぞりが発生。

チャンスタイム発生ー!


「おお、もうのけぞりかよ。俺も近づいて攻撃しときゃ良かったか」

「どうなのかしらね」

「島主だから出来る芸当じゃからそこまでせんでも良いのじゃ」


らるくと姉さん、顔文字さんが水やりで植物狙撃をしている所で、のけぞったダインブルグサンドワームの足の二本目を切り飛ばせた。


「ギイイイイ!」


さすがに辛抱溜まらないとダインブルグサンドワームが砂に潜り始めたので弓矢に即座に変えて三連射しながら距離を取る。

ダインブルグサンドワームが潜った際に飛び出す岩がメチャクチャ俺目掛けて不自然に飛んで来る。


「ほ!」


ハイディングハントを発動させてから攻撃を中断して回避を意識して逃げる。

被弾は極力避けられた。

割と単調な攻撃だからってのはあるかな。


「じゃあ次のチェックポイントだな」


次は砂海となっているフィールド部分だ。

ダインブルグサンドワームが本領を発揮する場所と言っても過言じゃ無い。

ここに蟻地獄みたいなものに岩の蓋が掛けられている。


「そうね。てりすにミリーさん。そっちに行くわよー」


先にチャットで姉さんが連絡した所でダインブルグサンドワームが次の場所に移動、なんとなくだけど足を少し切り飛ばした影響か鈍化してる……かな?


「はいはーい! んじゃミリーさん行くわよー」

「ええ」


てりすとミリーさんが待機している場所にダインブルグサンドワームが来ると、てりす達はこのフィールドにみんなが所持出来る限界までとばかりに持ち込んだケミカルアシッドボムトマトを詰め込んだタルを……ダインブルグサンドワーム目掛けて蹴り転がす。

ごろんごろんとタルは転がり、ダインブルグサンドワームに当たった所で炸裂、爆発すると同時に大きく飛沫がダインブルグサンドワームに掛かった。


「ギイイイイ!」


ジュウウウウ……とダインブルグサンドワームの皮膚に煙がもうもうと立ちこめ始めた。

が、構わないとばかりに深々と潜る。

これはなんとなく分かるぞ……間違い無い。

地震でも起こしながら誰かの足下へと飛び出して周囲を引き回す感じとみた。


破城槌



『絆さん、ご所望のタイミングだよ』

「あ、うん。分かった」


武器を釣り竿に変えて振りかぶってルアーを砂の中に投げつけるとガツ! っと良い感じに針が引っかかった。


「ギイ!」


狩猟具とフィッシングマスタリーで重複している俺が引っ張られる程の引きだぞ。

俺以外が引っかけても速攻で外される次元じゃないだろうか。

間違い無く砂の中に居るダインブルグサンドワームが引っかかったんだろう。


「おおおお……メチャクチャ暴れるぞコイツ」


右へ左へと暴れる獲物に俺は竿をぶんぶんと振りかぶりながらリールを巻く。

エレキショックも発動させているけど属性相性の関係か効果が無いな。

だがこの程度で俺を押さえ込めるとは大間違いだぞ。

暴れているお陰かダインブルグサンドワームの胴体が時々砂から姿を現す。


「潜りっぱなしよりも攻撃しやすいわね! トマト攻撃よ」

「奏爆弾投下だぜー!」

「ちょっと! そのネームを付けたら承知しないわよ! キャノンじゃ無いからって許可はしないからね!」


らるくの失言に姉さんが指摘しつつ持ち込んだケミカルアシッドボムトマトのタルが何度もぶつけられ、ダインブルグサンドワームの動きが鈍ってくる。

さて、一気に釣り上げるかと思ったが砂の上にダインブルグサンドワームが顔を出している。

一本釣りをすればそのまま砂上に出して攻撃チャンスだが……。


「絆さん」


クレイさんがここで何をして欲しいのかと指さして居るのでできる限り意識して竿を振りかぶった。

振り上げるのでは無く、横に狙った場所へとダインブルグサンドワームの頭をぶつけさせるように。

ドゴォ! っと……クレイさんの指示した場所は水漏れしている蓋の掛かった蟻地獄の地点だ。


「ギィ――」


パッとルアーが外れると同時に蓋となっていた蟻地獄が壊れ……地響きと共に間欠泉が吹き上がる。


「ギィイイイイイイイイイイイイ!?」


ザァアアアアアア! っと周囲に雨が降り注ぎダインブルグサンドワームを濡らし、水が満たされていく。

あ、なんか新しいスキルを習得したぞ。



釣技・破城槌Ⅰ

釣竿を使った攻撃スキル。

針を引っかけた魚やモンスターを攻撃するスキル。

一回の使用に400のエネルギーを消費する。

取得に必要なマナ1000。

取得条件、引っかけた魚や魔物の頭部を固い物にぶつける。

ランクアップ条件、釣技・破城槌Ⅰを使い込む。



……あれか? 針が掛かった相手を壁とかにぶつけて弱らせるって目的で使えるスキルって事?

モーニングスター的なのかそれとも……硝子が使いこなしそうなスキルだな。

俺は使えるだろうか?

どっちかというと一本釣りの方が釣りっぽくて好きだぞ。


「よーし! みんな総攻撃なのじゃー!」

「わかってるわよー! ジュエルマジックからのーサファイアアイス!」

「おうよ! 紅天大車輪行くぜ!」

「私も行きましょう……アイシクルレイン!」


と、てりすとらるく、ミリーさんがガツガツと攻撃を仕掛ける。


「ウサウニー達とペックル達も一気に畳みかけるんだ」

「行くペン!」

「やるピョン!」

「ですピョン!」


とクレイさんの指揮の下にペックルとウサウニーもダインブルグサンドワームへの攻撃に参加しつつ……クレイさん、何してるの?

なんかクレイさんがミリーさんとてりすを連れてダインブルグサンドワームの口目掛けてケミカルアシッドボムトマトのタルを蹴り転がしていた。


「ギイイ――」


悶絶していたダインブルグサンドワームが起き上がろうとした直後に口の中でケミカルアシッドボムトマトが炸裂!


「ギイイイイイイイイイイイイイ!?」

「わー……ケミカルアシッドボムトマトを食べた姉さんみたいにダインブルグサンドワームが痙攣してる」


あの芸人芸を芋虫みたいな魔物がするとはなー。

魔物であろうと食える代物でないと言う事なんだろう。

ちなみに、激しく蛇足ではあるのだが……ブレイブペックルが勝手にケミカルアシッドボムトマトを食べれる料理にして提出してきた時、NPCとはいえコイツは凄いなとみんなで感心した。


「うるさい。良いから畳みかけなさいな」


ケミカルアシッドボムトマトによって汚染された水がダインブルグサンドワームを更に侵食して行く。

ともかく一気に畳みかけなきゃな。

白鯨の太刀とケミカルアシッドボムトマトの余波を少しだけ受ける事でダメージブーストである復讐の力の発動条件を満たしつつ叩きつける。

ズバァっと今までに無い位、刃の通りが良い。

ケミカルアシッドボムトマトのデバフが恐ろしく掛かっているのと濡れている所為でダインブルグサンドワームへの弱体化効果が発動している為だろう。


「後は――」


ダダダ! っと噴出した水が周囲の植物たちにも掛かってクレイさんが想定したダインブルグサンドワームが倒れるだろう箇所へ攻撃の雨を降らせる。

わー……こりゃあ溜まらないだろうな。


「ちょっと果てしないわねこれ」

「圧巻じゃのう」

「何処まで削れるか見てておもしれえな」

「ここまで行くとクレイも面白いでしょうね」

「きゃークレイ社長半端ないわー」


と、みんな揃ってフルボッコにされているダインブルグサンドワームへと意見を述べる。


「どうもダインブルグサンドワームが巡回するタイプのイベントなのじゃが拘束が長いのう」

「もはや嵌めてるんじゃなーい?」

「そうじゃな」

「レトロなあのゲームの閃光ハメがここで見れるとはね」

「クレイ社長、えげつないなーゲーム経験あるっぽいとは思ってたけどここまでか」

「むしろなんであの人、ノジャ子にディメンションウェーブ時は指揮任せてるのよ」


本当にな。俺も同意したいんだけど持ち場から離れると文句言われるのでずっと俺は武器を振ってる。

ネタ会話は俺がするはずなのにー。


「みんな、攻撃中断。絆さん。5秒だけ攻撃待機、ダインブルグサンドワームが起き上がったら一撃を。ミリー、てりすさん私と一緒に氷結魔法の準備」

「あーい」


で、起き上がったダインブルグサンドワームに向かって言われた通りに5秒待って……暇なのでブラッドフラワーのチャージを行ってからぶちかます。


「ギギ……ギイイ!」


ってダインブルグサンドワームが起き上がると同時に咆哮を上げようとした直後。


「ブラッドフラワー!」


ズバババ! っとチャージは完了してないけどブラッドフラワーを放つ。

すると咆哮がキャンセルされてダインブルグサンドワームは仰け反った。


「ギ、ギイイイ!」


のけぞりからの復帰をダインブルグサンドワームがした直後。


「「アイシクルレイン!」」

「サファイアアイス!」


バキン! っとダインブルグサンドワームのいた水場が凍り付き、ダインブルグサンドワームが凍り漬けの状態異常になる。

倒してはいないけど動きが激しく制限されてしまったようだ。


「えげつねー……今度はのけぞりからの氷結ハメかよ」

「次は雷撃での麻痺をするからみんな準備をして」

「あーい」

「一方的じゃのう」


ちなみに顔文字さんは魔力アップの補助魔法をクレイさん達に行っていた。


「行くペン」

「行くピョン」

「やるですピョン」


で、氷結しているダインブルグサンドワームにペックルとウサウニーが群がってボッコボコにしていて、その猛攻に俺が混ざっている。


「たああああ!」


動きの鈍い相手に近接で叩きつけるだけの仕事ってのは楽なもんだ。


鼻歌



「話は戻るけどクレイがディメンションウェーブイベントに参加してなかったのは確か娘を探していたからじゃな」

「そうだったな。次は社長、やるのですかい?」


らるくの問いにクレイは否定する。


「どうだろうね。生憎、私にノジャさん程にカリスマは無いからね」

「謙遜を……まあ良いのじゃ」

「さて、計算だとそろそろ次の場所に移動するんだけど……」


ってクレイさんが言ってる。

そういや巡回するイベントなんだっけ、猛攻酷すぎてもはや嵌めてる状態なんだけど。


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